企業理念
PHILOSOPHY
常に最先端の鑑定技術を。
この世において社会的価値のあるものはすべからく偽造される運命にあります。社会的価値には流通力があるためで、それが偽造を誘発することになります。その典型例が紙幣あるいは貨幣と言えるでしょう。
価値の創出は常に偽造リスクをともなうことになるわけですが、同時に偽造の出現は、その価値を明らかにする逆説的証拠と言えることにもなります。実はこの理論が正しいことを示す実証実験があります。それは20世紀すなわち1900年代に盛んに流通したトラベラーズチェック(旅行小切手)です。
当時の主要銘柄すなわち発行母体は、AMEX、VISA、ThomasCook、CITIが4強とも言える時代で、偽造券の出現についても年毎に1銘柄ずつ、まるで持ち回りのように世界規模で偽造券が出現していました。つまり4年に1回は各銘柄の偽造券が出現していたわけです。現金は盗まれたら再発行は難しいわけですが、トラベラーズチェックは、要件さえ満たせば再発行が可能であったことが人気の理由でした。
それはさておき、偽造券が出現することで利用が衰退するかと思えば、そうではなく、むしろ利用が加速され、発行枚数が年々増えていった経緯があります。つまり偽造の出現は人気と信用のバロメーターであり、世界各地で当該銘柄の偽造事件が報道され、発行会社としては、はからずも全世界に名前が知れ渡ることになりました。しかも無料で・・・。つまり偽造されるほどに有名で信用があると受け止められたわけです。
災いを好機ととらえる陽転思考の考え方ではありますが、偽造の出現が、その価値を明らかにする逆説的証拠と言えるでしょう。
今日キャッシュレス化がすすんでいるのは事実ですが、日本の速度は先進10ヶ国で8番目に遅く、日本人の現金に対する信頼感は圧倒的とうかがい知ることができます。アメリカを含む世界の先進国でキャッシュレス化がすすむにもかかわらず、紙幣の発行枚数が増える珍現象すなわち紙幣パラドックス(Paradox of Banknotes)が発生しているのです。
当社は平成4(1992)年3月、偽造券対策に関する我が国初の民間研究機関「偽造通貨対策研究所」を母体に、各種鑑定機器の開発・販売を行う専業企業としてスタートしました。現在にいたるまで紙幣、証書、商品券等の鑑定機開発をてがけ、金融機関、両替商はじめ多くのユーザーに製品をご利用いただき、好評を得てまいりました。
紙幣鑑定機については、高速処理にて最大32通貨を鑑定と同時に分類整理し、さらに紙幣番号を読取り、サーバーに保存するシステムを構築しました。紙幣番号の記録は、犯罪の抑止効果にもつながり、今後は紙幣鑑定機の必須アイテムとなることでしょう。
偽造券とのシーソーゲームを余儀なくされる分野だけに、今後も鑑定精度の維持、向上と、時代のニーズにあった新型機器の開発に努めてまいります。