スーパーX(SERIES2001偽造100$券)の見破り方     極秘
 本年7月来、国内においても大量に出回り、猛威を振るっている高精度偽造100ドル券、スーパーX(SERIES2001年版、磁性インク、すかし、マイクロ文字も施され目視による鑑定が困難=記番号がCB(またはCL)〜で始まるのが特徴「通称:スーパーX」)の目視による見破り方について、ご案内いたします。

  スーパーXはそのほとんどが発見されず、本物として流通していると言われている超高精度の偽造券です。B級以下の一般偽造券に見られるような一目瞭然とした差異がないため、本稿においても見破り方マニュアルとしては、かなり微妙な差異を指摘せざるを得ない状態です。正確を期すため、部位の拡大視認にはなるべく鑑定用無収差ルーペをご使用下さい。本稿にご案内する見破り方はSERIES1996年版スーパーXにも適合しますが、同版では漉き目(第5項参照)が真正券ように縦横に改善された偽造券も存在していますのでご注意下さい。 なお、(無収差ルーペを入手希望の方は日本シーディーアール(株)までご連絡下さい)。
   
(2004/08/07マニュアル作成)
【表面】
1.肖像画のえりの部分のマイクロ文字(表面中央下部)
      
 
  肖像画人物の洋服のえり部分に施され ている約200ミクロンの大きさのマイ クロ文字「THE UNITED STATES OF  AMERICA」に注目する。

 マイクロ文字は微細なため偽造目的で複製すると、かすれたり、つぶれたりして再現不能となる対策である。しかしながら、本偽造券では、むしろ真正券よりクリーンな状態で印刷されている。特に「E」字、「A」字、「R」字などである。

 偽造券では原版作成や製版の段階で、いきとどいた修正を施したものと思われ、その結果、「偽造券のほうが鮮明でできばえがよい?」という珍現象が生じている。表面左下金種マーク内のマイクロ文字についても同様のことが言える。



















 
































 
  (上=真正券、下=偽造券)





2.金種マーク(マイクロ文字入り)のデザイン(表面左下)
 表面左下には金種のマーク「100」字はその中に約400ミクロンの大きさのマイクロ文字「USA100」の文言が連鎖して印刷されている。偽造券においてもマイクロ文字の完成度は真正券と同等な出来映えである。

 しかしながら、マークのデザイン的な差異として「1」字の左下を見ると、真正券では鋭角的(とがった)なデザインであるのに対し、偽造券では面取りしたような丸みがついている。



 
 
 (上=真正券、下=偽造券)
                    


3.金種マークに見られるハッチング(表面左上)
 表面左上には金種のマーク「100」字が見られるが、立体的なデザインの下側影の部分には微細な線が印刷されている。真正券では斜めの線(左傾斜)が印刷されているが、偽造券ではさらに右傾斜の線がクロスハッチングという高度なテクニックを駆使し、印刷されている。 

 たとえ、高度な印刷技術が用いられていても偽造券であることに変わりはない。単なるミスとも考えにくく、意図的な差異であるとすれば符号(何らかの意味をもつサイン)としてか、あるいは印刷技術を誇示する目的なのか、なぞとも言える箇所である。
 
 
(上=真正券、下=偽造券)
4.紙幣記号番号、フォント文字のデザイン
 概して紙幣の記号番号については、多くの偽造券では印刷が不揃いであることが指摘される。当該偽造券においても、ややその傾向は見受けられるものの注目すべきはそのかたち、デザインである。

 一般的な偽造券では真正券から写真製版などの手法で写し取った記号番号を原版としてオフセット印刷で再現する例が多いのであるが、当該偽造券では独自のフォント(字のデザイン)を持ち、真正券と同じく凸版印刷が施されているのである。

  そこで、デザイン上の差異が散見される。たとえば偽造券では「6」字の始筆部がラッパ状に開いており、「3」字では始筆方向が真下から入るかたちをしている。さらにその終筆部には下に膨らむ湾曲が見られるのである。





5.用紙の漉き(目)跡 (用紙の非印刷面に注目)
 米ドル紙幣の用紙は素材として木綿と麻が用いられ、極めて丈夫でやや厚みがあり、黄色みがかった独特の風合いと手ざわり感がある。さらに赤と青の着色繊維、紫外線により発光する蛍光繊維が混抄されている。

 抄造工程上の痕跡である、いわゆる用紙の漉き目跡が、偽造券では斜めの交差となっている。
(上=真正券、下=偽造券)
                    
 
※この他にも、微妙な差異が散見されますが、紙幣の個体差と鑑定人の感性の個人差に揺れる可能性があり、以上の8点に絞ってご案内しています。
 ※本マニュアルで示した特徴が修整されたアップデート版が出回る可能性、及び本特徴に該当しない、他種類の偽造券が存在する可能性についても念頭におき、ご覧下さい。
 不明点、難解な点などがありましたらご連絡下さい。
    問い合わせ先 TEL03-3541-1982 FAX03-3541-1952(偽造通貨対策研究所)
※なお、スーパーX対応の鑑定機については日本シーディーアール(株)営業部
TEL03-3541-1951にお問い合わせ下さい。

★本マニュアルは外部への公表はお控え下さい。★
 
偽造通貨対策研究所

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